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矢印は全てを伝えない。

省略できるところは省略して私たちに必要な情報のみを与える。
でももし矢印が伝えられること「全部」を伝えようとしたら?
「駅から駅」を表す矢印の省かれた情報を +(プラス)してみる
+距離
+距離
+挟まる可能性のある場所
+挟まる可能性のある場所
+レジの数と道の形
+レジの数と道の形
+反射する光の量
+反射する光の量
+回す回数と軌道
+回す回数と軌道
+書くときの流れ
+書くときの流れ
+階数分の距離
+階数分の距離
ヤジルシにプラス+
新矢印研究所
矢印を分析し、代替案を開発する
case1
カーソル
一点を指す矢印

カーソルは、一点を指す矢印である。

一点を指す矢印は、さえあれば位置は伝わる。

しかし、点だけでは、小さすぎて位置を見失いかねない。

大きくしてみるとどうだろうか。

位置を見失うことはなさそうだが、点ではなくになったので、今度はどこを指しているのかわかりづらくなってしまった。

また、選択部分を覆ってしまっているので、何を指しているのか見えづらい。

いっそのこと、こんなものはどうだろうか。

絶対に位置を見失うことはなさそうだ。

こんなものは?

指を用いたカーソルは実際にあるので、点を示す記号としてはきちんと機能しそうである。

case2
エスカレーター
ピクトグラム
動きの流れを表す矢印

エスカレーターのピクトグラムには、昇り/降りを表す矢印が用いられている。

これが厄介で、エスカレーターの位置を示す矢印と併用された時に混乱を招くことも少なくない。

矢印をなくすには、どのようにデザインしたら良いだろうか。

エスカレーターと人の位置関係を示せば、昇り/降りを伝えられるのではないだろうか

しかし、これでは降りた直後の様子に見えなくもない。

最低限の要素で、エスカレーターに進入する様子を描くには…

人の向きがわかればそれらしく見えそうなので、鼻を足してみた。

わかりやすくはなったが、細かいので遠くから見たときに判別しづらくなってしまった

エスカレーターの一部を省略してみた。
これだけでも、向きを判断できる。

矢印のないこのピクトグラムであれば、位置を示す案内矢印と併用しても迷うことはないだろう。

case3
道路標識
動きの流れを表す矢印

最後は、道路標識に用いられる矢印だ。

この矢印は、進行方向、ひいては車の動きを表している。

看板の持つ意味を、文字で表現してみる。

直感的に理解できないし、日本語がわからない人にとっては訳のわからない記号だ。

今度は動きの軌跡を表現して、流れを表してみる。

悪くないような気がする。

思い切って動かしてみたらどうだろうか。

瞬時に方向を判断しづらくなってしまった。

矢印は確かに便利だが、多用することで混乱を招くことも少なくない。

その場面で本当に矢印が必要か、
今一度考え直していただけないだろうか。
新ヤジルシ研究所

行きたいところがあれば、
安心して矢印が連れていく
道を教える矢印は、
先生とも言えるではないか

そんなヤジルシの力をヤジルシ先生と見ていきましょう。
きっと新しい発見があるはず…!

ヤジルシの先になにかあるかも…?

私と一緒に様々な実験を通して
ヤジルシの力を見ていこう!
実験方法
教室の平面図
教室に机を左のように並べ、いずれか一つずつの机に
スタートとゴールを設定。

被験者はゴールがどこにあるかは知りません。

机の上に置かれたヤジルシをたよりに
自分が思うゴールにたどり着いたらその机に
シールを貼ってもらうという流れ。
今回は6人の被験者の方々に、実際にヤジルシの力を感じてもらいました。
実験1/3   ヤジルシので比べる

ヤジルシの数によって被験者の動きに違いはでるのか…?
テストA
の検証動画
テストB
の検証動画
ヤジルシがたくさんありすぎることどのヤジルシに従っていいのか分からなくなり、
受け手各々が多種多様な解釈をするのでみんなゴールにはたどり着けているけれど
受け手のルートをひとつに絞るのは難しそうだね。

逆にヤジルシが少ないと、受け手は 1つのヤジルシから情報をたくさん読み取ろうとして
本来の意味とは違った解釈をしてしまうみたいだ。
実験2/3   ヤジルシので比べる

形を変化させることでそれぞれ違った意図があることに気づいてもらえるのか…?
テストC
の検証動画
テストD
の検証動画
今回はヤジルシの形に秘められた法則を見つけると簡単にたどり着ける実験だったが、
テストCはヤジルシの太さに注目している人が多かったね。

テストDは全員ゴールにたどり着いていないね。
実はこんなに混乱を呼んだヤジルシ、意外と道案内に使われているんだ。
適切に使用しないとこんなにも人をパニックにさせてしまうんだ。
実験3/3   ヤジルシ文字

ヤジルシと文字、わかりやすいのはどっち…?
テストE
の検証動画
テストF
の検証動画
矢印と文字両方ともわかりやすいけれど、
矢印より文字の方が視認性が低く何回も確認しなければならないので
交通表示に文字だけを使っていたら、
事故が起こる可能性が大変高くなるかもしれないな。
ヤジルシの力は強いからこそ、慎重に扱うべき!
数、形、場所が少し変わるだけでも受け取られ方は大きく変わってしまうんだ…!

まだまだヤジルシの力の謎は深い…!これからもヤジルシ先生と一緒に研究をつづけましょう!
ヤジルシ先生、教えてください!

inのマスコットキャラクターが登場しました。
矢印から生まれたふしぎな生き物たちは
溶けたり固まったり動き回ったり
どんな形にだって変身できちゃいます
一体どんな子たち何だろう?

キャラクター紹介
アロ
inのiとやじるしから生まれたよ。歩くときはとび跳ねるかロヘのうしろにのってるよ
ロヘ
inのnとやじるしから生まれたよ。走るのが得意でアロのことが大好き!

やじるしだらけのこのサイト。
他のページにかくれた
ぼくたちをみつけられたかな?

inのマスコットキャラクター
編集長
副編集長
制作を終えて
編集長 小林優季
副編集長 猿渡啓太

今回の活動はコロナ禍の中でグループとして一つのコンテンツを制作するということだったから暗中模索という感じで困難が多かったよね。

そもそものinの方針を見直したり、フリーペーパーだったものを web版に絞ってweb表現を追求したり。
色んな決断させられて、色んな新しいことをはじめたから「新生 in」って感じする。

本当に変わり目、節目の号って感じだね。
テーマのことだけど「矢印」の発案者は編集長だったよね。

そうだね。
今回は「矢印」ってテーマで展開していったけど、これは一つの例にすぎなくて改めて多様な視点で身の回りのなんてことないモチーフや風景を見直すと無意識に見落としていたところにこんなに面白さ、発見、美しさが詰まってたんだってその喜びを読者の方々がこのコンテンツをきっかけに自分の日常でも感じてもらえればなと思ってる。

企画・編集
ここにもそこにもあそこにも
石戸絢
島貫有里佳
何の矢印?
有本怜生
不二俊太郎
Shannon Teoh
矢印がいる!?
伊藤幸乃
加藤美波
藤井菫
ヤジルシにプラス+
上原瑠夏
川村結実
光本おとは
新ヤジルシ研究所
佐藤隼人
ヤジルシ先生教えて下さい!
郭洋希
小林優季
inのマスコットキャラクター
阪本芽生
イントロダクション
編集後記
小林優季
猿渡啓太
Web制作
川村結実
佐藤隼人
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グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、インターフェースデザインなど…。
従来のデザインの領域を切り離さず、多様な視点から問題に向き合うデザイン教育の場です。

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